「ノアの方舟」
聖書箇所:創世記6章
【地は神の前に堕落し、暴虐で満ちていた。】

アダムとエバの最初の子どもカインは残念なことに、地上で最初の殺人者となり
ました。
彼は神の憐れみを逆手に取って復讐の手段とし、怒りと暴虐が子孫に受け継がれ
ました。

「カインに七倍の復讐があれば、レメクには七十七倍。」創世記4章24節

しかし、憐れみ深い神はアダムとエバにもう一人の子どもを与えました。セツです。
そして彼の息子エノシュの時から、「人々は主の御名によって祈ることを始め
た」と創世記4章26節に書かれています。

二つの流れがありました。一つはカインの末裔。彼らは町を建て、家畜を育て、
青銅や鉄の道具を造り出す力強い人々。しかし怒りと復讐心に満ち、そ の心は
神から離れている。
もう一つは主の御名によって祈る人々。何か弱々しさを感じますが、神の御名を
知っている人々です。神の御名を知るとは、神ご自身、その人格を知 り、心と
心の交流を持ってい人たちです。カインのグループにも宗教はあったでしょう。
しかし彼らは神の御名、神の心を求めることはありませんでし た。

地上に怒りと復讐の暴虐が満ちるのをくい止めていたのは、主の御名を知る人々
でした。

「ですから、私は願うのです。男は、怒ったり言い争ったりすることなく、どこ
ででもきよい手を上げて祈るようにしなさい。」第一テモテ2章8節

無力のように見えても、祈りは地上が暴虐で満ちることをくい止める力だと確信
します!
祈りを通して、赦す力、和解する力が神から与えられるのです。

しかし残念ながら赦しと和解、神の平和が世界を覆い尽くすほどに広がることは
ありませんでした。「神の子」と呼ばれている、神の御名で祈る者たち さえも
堕落し始めたのです。

「神の子らは、人の娘たちが、いかにも美しいのを見て、その中から好きな者を
選んで、自分たちの妻とした。」創世記6章2.3節

結婚は神が定められた聖なるものです。

「イエスは答えて言われた。『創造者は、初めから人を男と女に造って、「それ
ゆえ、人はその父と母を離れて、その妻と結ばれ、ふたりの者が一心同 体にな
るのだ。」と言われたのです。それを、あなたがたは読んだことがないのです
か。それで、もはやふたりではなく、ひとりなのです。こういうわ けで、人
は、神が結び合わせたものを引き離してはなりません。」マタイ19章4-6節

結婚が聖なるものであるのは、神が男女を結び合わせたからです。
結婚するのは二人ですが、その真中に神がおられる、これが神の定められた結婚
です。
神が二人の真ん中におられるから、心の一番深い霊の部分でも一致し、一心同体
となるのです。

家庭は社会を構成する最小の単位です。全ての社会問題は家庭から生まれます。
家庭の歪みが社会にも歪みをもたらします。健全な家庭なくして、健全な社会は
ありません。

神の御名を知る神の子たちでさえも、神の御心を無視した家庭を築き始めた。
神さまに全く関心がない、もしくは神に背を向けている異性であっても、人間的
な魅力、外見の魅力だけで結婚し、家庭を築こうとする。

霊的な一致のない結婚。神が結婚を定められたのに、中心に神がおられない結婚。
これは本来神が定められた祝福された結婚の姿からは遠く離れてしまっています。
結婚を考えている独身の方は、神中心の結婚、神中心の家庭を求めて下さい!
相手を愛するなら、体の一致ではなく、霊の深い一致を求めましょう。

外見が魅力的なのは若い時だけです。だれでも年を取ります。
心と霊の一致を第一としない結婚は破綻してしまう危険があります。
夫婦の関係が壊れて、一番被害を受けるのは子どもたちです。
両親の不和は子どもの精神、肉体にマイナスの影響を与えます。

洪水前の世界は残念ながら、神の祝福ではなく、罪が全世界を覆うようになりま
した。
罪を止める役割をする神の子どもたちさえも堕落していったのです。
神は洪水をもって人を地の表から消し去る決断をされました。

私たちはこの教訓から学びましょう。私たちは神の恵みによって救われました。
ただイエス・キリストの身代わりの死と復活を信じるだけで救われたのです。
私たちが救われたのは自分たちの為だけではありません。
この地上にあって、地の塩、世の光となる役割を神は私たちに求めておられます。
地の塩とは、第一に腐敗を止める働きだと考えられています。
そして世の光とはキリストともに歩む新しい人生、神に従う人生の素晴らしさを
表すことです。
私たち救われて神の子とされた者は、私たちに与えられた役割をしっかりと果た
しましょう。

【しかし、ノアは主の心にかなっていた。】

「しかし、ノアは、主の心にかなっていた。これはノアの歴史である。ノアは、
正しい人であって、その時代にあっても、全き人であった。ノアは神と ともに
歩んだ。」 創世記6章8.9節

堕落し、暴虐で満ちていた人類、しかし神の憐れみによって一つの希望がありま
した。
ノアとその家族です!ノアは正しい人であり、その時代にあっても、全き人でした。
神が選ばれたノアの正しさとは、どのような正しさだったのでしょう。

@神とともに歩む信仰

ノアも創世記の9章では残念ながら酒に酔い、裸になるという弱さがありました。
ノアの正しさは、決して過ちを犯さない完璧な人と言うより、彼の生きた信仰に
ありました。

9節に「ノアは神とともに歩んだ」とあります。ノアは神を知っていただけでは
なく、神とともに歩んでいました。彼の信仰は知識だけにとどまらず、 彼の人
生全てを導いていました。

「わたしの義人は信仰によって生きる。」ヘブル10章38節

ヘブル人への手紙には、信仰に生きた義人の例としてノアの名前を上げています。

神は信仰によって生きる者を、どの時代も救いを伝える器として用いて下さいます。
また信仰がなくては、神に喜ばれることはないとも書いてあります。
信仰によって生きる者、神とともに歩む者を喜び、ご自身の器として用いて下さ
います。

Aみことばを実践する信仰

「ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行なった。」創世記6
章22節

ノアが行ったことは、決して小さいことではありませんでした!
それは長さ約150メートル、幅25メートル、高さも15メートルもある巨大な箱船
を造ることでした。これは小型のタンカー位の大きさがありま す。
家族八人、全員で作業にあったのだと考えられますが、完成までに約百年掛かり
ました!

神のことばに、彼は人生を掛けて取り組んだのです。
箱舟、これは当時の神の救いの手段、恵みの表れでした。ノアとその家族が地の
真ん中に巨大な船を百年掛けて造ることは、当時の人々にとって大きな 衝撃を
与えたことでしょう。

「彼はいったい何をやっているんだ?」と、当然見るものに疑問を起こさせたこ
とでしょう。
それが神を証しする機会となったと考えられます。
彼は洪水から逃れるため、神の裁きから守られるため、箱舟に入ることを、また
彼と同じように箱舟を造ることを人々に伝えたのでしょう。
残念ながらノアの招きに応じた者は一人もなく、ノアとその家族だけが救われま
した。

私たちも今日の箱舟である主イエス・キリストを、私たちの人生を掛けて世に示
しましょう!だれでもイエス・キリストを心に招き入れるだけで、滅び 行く世
から救われるのです。