「私たちはキリストの香りを放つ祭司」

ホセア書4章

ホセアは北イスラエル王国で活躍した預言者と考えられています。
ホセアが活躍した時代はヤロブアム王から北イスラエルの滅亡までと考えられます。
この時代イスラエルはヤロブアム王により一時的に繁栄を取り戻しますが、物質
的な繁栄は却って霊的・精神的な堕落をもたらし、さらに偶像礼拝へと 堕落し
ていきます。
ヤロブアム王の死により、イスラエルの政治は秩序を失います。王位を求めて家
臣が王を虐殺する下克上の時代になります。政治的にも社会的にも無秩 序、混
乱を極め、やがてアッシリアの侵入を受けてイスラエルは滅亡していくのです。
ホセア書の歴史的な背景は列王記第二の14章から17章に当たります。

「イスラエル人よ。主のことばを聞け。主はこの地に住む者と言い争われる。こ
の地には真実がなく、誠実がなく、神を知ることもないからだ。ただ、 のろい
と、欺きと、人殺しと、盗みと、姦通がはびこり、流血に流血が続いている。そ
れゆえ、この地は喪に服し、ここに住む者はみな、野の獣、空の 鳥とともに打
ちしおれ、海の魚さえも絶え果てる。」ホセア4章1−3節

霊的に堕落し、不法と犯罪がはびこる状況をホセアは嘆き、訴えています。
罪は人の心を滅ぼすだけでなく、「野の獣、空の鳥・・・海の魚さえ絶え果て
る」とあるように、自然環境にまでも滅びをもたらすとホセアは言ってい ます。

その根本的な原因はどこにあるのでしょうか。
それは「神を知ることもないからだ」とホセアが言うように、神の民であるイス
ラエルが神を退け、神を第一にしないことが滅亡の直接の原因でした。

イスラエルは繁栄を求め、物質的な繁栄を約束する偽りの神を拝みました。
偶像とは、人間の欲望の象徴です。イスラエルは自分の欲望を第一にしたのです。
私たちも自分の欲望を叶えてもらうために神を礼拝しているなら、それは偶像礼
拝と変わらないことを覚えなければなりません。

自分の欲望を、自分を第一にしてはならないのです!

「心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛せ
よ。」これがたいせつな第一の戒めです。「あなたの隣人をあなた自身のよ う
に愛せよ。」という第二の戒めも、それと同じようにたいせつです。」マタイ福
音書22章37−39

私たちは自分の願望を、自分の計画を実現するために神を信じるのではありません。
これが偶像礼拝です。神を自分の都合のために利用することです。
私達が信じ、歩むべき信仰の道は主イエスが示された道です。
それは自分の願望、自分の計画ではなく、神の願い、神の計画に自らを従わせる
ことです。
心を尽くして神を愛し、隣人を自分のように愛すること、これが第一にすること
なのです。
神を第一にする時、私たちは本当の喜びと平安に満ちた人生を歩むことが出来る
のです。
なぜなら神と共に歩む人生だからです。それは本当に実を結ぶ人生です。

愛する皆さまは、日曜日の朝、一週間の一番最初の時を神への礼拝として捧げて
います。
素晴らしいことです。さらに皆さまに勧めたいこと、それは毎日を神への礼拝と
して捧げることです。自分の家庭、自分の仕事を神のみ言葉、優先順位 に基づ
いて行うことです。

自分の願望、計画ではなく、日々、ディボーションを通して神のみ言葉に聞き従
い、神の優先順位に基づいて家庭を導き、仕事をしましょう。
その結果として、あなたの関わるすべてのことは、神のいのちの祝福を受けるの
です。

私たちの住む世界は、創造者である神を捨てて、欲望を第一にしています。
ホセアの時代のイスラエルのように、政治は力がなく、社会は無秩序になり、道
徳的にも堕落、頽廃しています。自然環境も破壊され、野生生物は絶滅 の危機
にあります。
いまこそ神の民である私達クリスチャンが、神を第一にして歩まなければならな
いのです。
私たち神の民が神を第一にして歩むことこそ、社会の回復にも繋がると確信します。

【祭司とは誰か】

「だれもとがめてはならない。だれも責めてはならない。しかし祭司よ。わたし
はあなたをなじる。あなたは昼つまずき、預言者もまた、あなたととも に夜つ
まずく。わたしはあなたの母を滅ぼす。わたしの民は知識がないので滅ぼされ
る。あなたが知識を退けたので、わたしはあなたを退けて、わたし の祭司とし
ない。あなたは神のおしえを忘れたので、わたしもまた、あなたの子らを忘れよ
う。」ホセア4章4−6節

ホセアはイスラエルの堕落の責任を祭司に求めています。
祭司たちが神から与えられた務めを怠り、神への正しい知識を伝えなかったこと
がイスラエルを堕落させたと、祭司の罪を糾弾しています。

祭司には神から与えられた大切な働きがありました。祭司は神と人とをつなぐパ
イプの役割が委ねられていたのです。その大切な働きを怠ったため、イ スラエ
ルは真の神を見失い、偶像礼拝へと堕落していったのでした。

これは今から二千七百年も昔の話ですが、それでは皆さまに尋ねます。
今の時代、神から召されている祭司とは誰でしょう?
今の時代の祭司は牧師でしょうか?
確かに牧師も祭司でありますが、牧師だけが祭司ではありません。
今は恵みの時です!誰でもイエス・キリストを救い主として信じ、救われたもの
は神の子どもであり、また祭司なのです。

「しかし、あなたがたは、選ばれた種族、王である祭司、聖なる国民、神の所有
とされた民です。それは、あなたがたを、やみの中から、ご自分の驚く べき光
の中に招いてくださった方のすばらしいみわざを、あなたがたが宣べ伝えるため
なのです。」Tペテロ2:9

マルティン・ルターは万人祭司と呼びましたが、ルターが万人祭司と叫ぶ前か
ら、新約聖書にはハッキリと神の子どもたちはすべて祭司であると教えて いる
のです。

牧師だけが祭司ではありません!皆さん一人ひとりが神の祭司なのです。
今、神に祭司として召されているのはイエス・キリストを信じて救われた者なの
です。
祭司とは神と人を結ぶパイプです。神は大切な働きをあなたに委ねられたのです。
私たちは、まだ神を知らない人に、神の愛を伝えるパイプの働きをしましょう。

もし祭司が祭司の働きをしないのなら、民の堕落の責任を追求されるでしょう。
祭司が祭司としての働きを知らず、その働きを怠る時、人々は真の神を知らず、
偽りの神々を求め堕落するのです。

【祭司の努めは何か】

私たちに委ねられている大切な祭司としての働きを聖書から学びましょう。

「そのとき、主はレビ部族をえり分けて、主の契約の箱を運び、主の前に立って
仕え、また御名によって祝福するようにされた。今日までそうなってい る。」
申命記10章8節

@主の契約の箱を運び・・・

旧約聖書の時代には、十戒が刻まれた石版を収める契約の箱がありました。
契約の箱は神の臨在を表すものでした。レビ人は契約の箱を担ぎ、神の臨在を運
ぶ働きが委ねられていたのです。

祭司の大切な働きの一つは、遣わされたところに神の臨在を運ぶこと、神を表す
ことと言えるでしょう。

神の臨在をどのように運び、表すことが出来るでしょうか。
十戒を収めた契約の箱は今の時代には失われています。

私たちの心に神の言葉を刻むのです!神のみ言葉によって変えられ、整えられた
神の人としての人格、品性を通してキリストを表すのです。

「しかし、神に感謝します。神はいつでも、私たちを導いてキリストによる勝利
の行列に加え、至る所で私たちを通して、キリストを知る知識のかおり を放っ
てくださいます。
私たちは、救われる人々の中でも、滅びる人々の中でも、神の前にかぐわしいキ
リストのかおりなのです。ある人たちにとっては、死から出て死に至ら せるか
おりであり、ある人たちにとっては、いのちから出ていのちに至らせるかおりで
す。このような務めにふさわしい者は、いったいだれでしょう。 私たちは、多
くの人のように、神のことばに混ぜ物をして売るようなことはせず、真心から、
また神によって、神の御前でキリストにあって語るので す。」 第二コリント2
章14−17節

私たちは神に選ばれた祭司として、キリストを知る知識の香りを放ちましょう。
私たちの生き方、私たちの言葉、私たちの存在を通して主を証ししましょう。

A主の前に立って仕え・・・

祭司は毎日、主の前に立って仕えるものです。
毎日の個人礼拝、ディボーションを通して主に仕えましょう。
個人礼拝での聖書通読を強調していますが、もちろん聖書を読むことだけが個人
礼拝、ディボーションではありません。祈ること、賛美することを通し て神を
心から崇め、自らを主に捧げていくことが個人礼拝です。

私たちは日曜日の礼拝、個人の礼拝の時を通して主に近づくのです。
主に近づけば近づくほど、私たちは主に似た者に変えられていきます。

モーセが主との深い交わりによって彼の顔が光り輝いたとあるように、私たちも
主を愛し、主のみ言葉に従う時、私たちの品性がキリストを表すので す。

B御名によって祝福する・・・

祭司は民を主の御名によって祝福する霊的な権威が与えられていました。
私たちも主の御名によって私たちの隣人を祝福するのです。

私たちは神の家族を祝福しましょう。とりなしの祈りを捧げましょう。
教会の兄弟姉妹を祝福し、祈りを通して互いに重荷を負い合いましょう。
教会は祈りの家です!祈りの関係を築き上げましょう。

また自分の家庭を祝福しましょう。妻を夫を、子どもたちを祝福しましょう。
自分の職場、学校、地域を祝福しましょう。隣人を祝福し、福音を希望の言葉を
伝えましょう。これが私たちが主から委ねられている祭司の大切な働き です。
実践しましょう。