「悪の誘惑に勝利したイエス②」
書箇所:ルカの福音書4章1から13節
牧師 小林智彦

【霊的な戦いとは何か?】

聖書の中には悪魔・サタンと呼ばれる悪霊の存在についてハッキリと書かれています。
悪霊に関しては極端な意見を持つ方が結構多いのに気付きます。
一つは聖書における悪霊は文学的な表現であると考え、実際の悪霊は存在しないと考える人たち。悪霊に憑かれている人も、精神に障害を持った人の当時の表現であると。

またもう一つの極端な意見は悪霊の存在を過度に強調する人たちです。
この人達はほとんど全ての否定的な出来事を悪霊のせいにします。病気に罹ったら悪霊。事故にあったら悪霊。テストの点が下がったら悪霊。気分が悪い、悪霊!
この人達は「霊的な戦い」を強調して、悪霊と戦うことを強調しています。

これら二つの態度はとても極端です。
私たちは聖書に書かれていることを受け入れ、理解することが大切です。
聖書に書かれていないこと、聖書が触れていない分野に深い入りする必要もありません。

そこで私が確信している「霊的な戦いについて」、短く分かち合いたいと思います。
まず第一に悪霊は存在することです。悪魔・サタンと呼ばれる存在は実在します。
また「霊的な戦い」も実在し、私たちはその戦いの中に置かれていることです。

しかし、ここからが大切です。
先ず私たちは悪魔・サタンを恐れる必要はないことです。
なぜならイエス・キリストを救い主として信じている者はキリストにあって悪魔・サタンに既に!勝利しているからです。
悪魔・サタンの最大の武器は死の力です。しかし、イエス・キリストは復活によってサタンの最大の武器である死を滅ぼしました。悪魔・サタンの頭を踏みつぶしたのです。

悪魔・サタンは既にイエス・キリストの前に敗北しました。
悪魔は私たちからイエス・キリストにある救いを取り去ることは出来ません。
また神の許し無しには私たちに触れることも、危害を加えることも一切出来ません。

ですから悪魔・サタンはクリスチャンにとっては、頭の潰されたガラガラヘビが檻に入れられているようなものです。全く恐れる必要はないのです。
ですから悪魔・サタンを過度に強調することはイエスの勝利を忘れさせてしまいます。
たとえ今日イエスを信じ受け入れた人でも、キリストの内にあるなら悪霊を追い出すこと、悪霊を叱りつけ、命令して出ていかせることも出来ます。
悪魔・サタンはキリストの御名に逆らうことは出来ないからです!

それならば一体何が「霊的な戦い」なのでしょうか?すでに私たちは勝利しているのに?
確かに悪魔・サタンの頭は砕かれ、牙は抜かれました。そして檻に入れられています。
しかし、悪霊・サタンの尾はまだ生きていることです。
サタンの尾とは何か?それは惑わす力です。嘘・偽りの力です。
これならば牙は折られ、檻の中に入れられていても私たちを攻撃することが出来ます。

サタンの嘘は巧妙です。サタンは光の天使にも化けると聖書にあります。(Ⅱコリント11:14)
アダムとエバを騙したように、巧みに真理の中に強烈な嘘を織り交ぜて私たちを騙します。

悪魔・サタンとの戦いとは真理と嘘の戦い。そして人生の価値観を決める上での戦いです。

神を喜ばす人生を選ぶか、人(世)に受け入れられ、人(世)に喜ばれる人生を選ぶか?
目に見えないけれども確かな神の言葉を信じるか、目に見えるものだけを信じるか?
福音の土台の上に人生を建て上げるのか、この世の常識の上に人生を建て上げるのか?
これが「霊的な戦い」です!神を選ぶのか?悪魔・サタンの惑わしに進むのか?

神を選ぶことが正しいことは誰にも分かります。しかし、騙される!
これがサタンの偽りの力です。不倫はいけない!分かっていても引かれてしまう。
悪魔が滅びに引っ張っているのです。罪が魅力的に見えるのが悪魔の惑わす力です。

しかし、皆さん大丈夫です!私たちは既に勝利しているのですから。
助け主である聖霊様が私たちの内に住んで下さっています。
み言葉と祈りの生活を送るなら、サタンの惑わしを見抜くことは難しくありません。

悪魔・サタンは創造性がありません。だからクリスチャンを惑わす時もほとんどワンパターン攻撃です。聖書の中から原則を見つけるなら、簡単に見破ることが出来ます。
イエスを誘惑したサタンの惑わし、同じ惑わしをもって私たちをも誘惑します。
サタンはどのようにイエスを誘惑したのか?それを注意深く学びましょう。

【人はパンだけで生きるのではない】

「そこで、悪魔はイエスに言った。『あなたが神の子なら、この石に、パンになれと言いつけなさい。』イエスは答えられた。『人はパンだけで生きるのではない。』と書いてある。」
ルカによる福音書4章3.4節

人生の優先順位は一番重要な霊的な戦いです。
マタイの福音書4章4節ではさらに詳しく「『人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる。』と書いてある。」とあります。
パンは大切です。だからイエス様はパンを否定していません。しかし、もっと大切なものがあると教えています。これは優先順位の戦いです。

悪魔・サタンは価値の低いものを一番価値があるかのように惑わしてきます。
ここに悪魔・サタンの惑わしの巧妙さがあります。一番価値が低いなら直ぐに分かります。
しかし、一番と二番、三番と四番と言ったごく近いもので惑わしてくるのです。

私は先週アメリカに行ってきました。短期宣教師として来ているダニエル君の家にホーム・ステイに行きました。とても楽しかったです!そして沢山の良い刺激を受けました。
一番良い経験はダニエル君の父、ポールさんに出会えたことです。
彼はもちろんクリスチャンです。そして正しい優先順位をもって家族を導いていました。彼は聖書の知識を持っているだけではなく、それを実践している信仰の人です。
彼の優先順位は明確でした。仕事よりも家庭、子供よりも妻、そして何よりも神が一番。この明確な優先順位に生きていました。 この世の中では優先順位が狂います。

日本の男性にとっては仕事が第一の優先順位になります。「いや家族が一番」と言っても、やはり費やす時間が違います。日本のお父さんは平均すると子供と週に20分も話す時間がないそうです。20分で一体、心の深い話しが出来るでしょうか?
相手に自分の時間を与えること、それは明確な愛の表現です。

ポールさんは能力のある人です。父親も大学教授、彼自身も博士号を持っています。
しかし、彼がいましているのは不動産の仕事と窓のクリーニングの仕事です。
それは時間が自由に使えるためです。家族との時間を確保するための選択です。
彼は家族との時間を確保するために多くの戦いを経てきたことは明らかです。

私たちは神の言葉に従って正しい優先順位を守るために戦っているでしょうか?
仕事がどうでも良いと言っているのではありません!パンも大切なのです。
しかし、もっと大切なものがある。家族を犠牲にしてまでも、食べきれないパンを得るために働くこと、貴重な時間を優先順位の低いものに費やすことは正しいことでしょうか?

悪魔・サタンは優先順位の低いものを何時も価値ある物のように騙してきます。
そして一番大切なものを後回しにするように騙します。
この霊的な戦いに負けてはいけません!

また日本では夫婦間の優先順位が崩れやすいことを見ます。
夫が妻よりも仕事を愛するから、妻は夫よりも子供を愛するようになる。
夫は仕事で自分の価値を計るように、妻は子供の学歴やルックスで自分の価値を計る。
夫婦が愛さなくなったら家庭は既に崩壊しているのです。
先ず家庭での第一優先順位は夫婦が熱く愛し合うことです。
その隙間に子供や仕事が入れ込めないくらいに、夫婦が愛し合うことです。
そうしたら家庭は上手く行きます!それが神の祝福であり約束です。

これら全てのことは神の言葉である聖書に明確に記されていることです。
まず第一に神とその言葉を求め、その優先順位を明確にして歩むなら豊かな実を結びます。

【神を礼拝する人生】

「また、悪魔はイエスを連れて行き、またたくまに世界の国々を全部見せて、こう言った。『この、国々のいっさいの権力と栄光とをあなたに差し上げましょう。それは私に任されているので、私がこれと思う人に差し上げるのです。ですから、もしあなたが私を拝むなら、すべてをあなたのものとしましょう。』イエスは答えて言われた。『あなたの神である主を拝み、主にだけ仕えなさい。』と書いてある。」ルカ福音書4章5節から8節

イエスは別の箇所で同じ事を言われました。「人は、たとい全世界を手に入れても、まことのいのちを損じたら、何の得がありましょう。そのいのちを買い戻すのには、人はいったい何を差し出せばよいでしょう。」:マタイによる福音書16章26節

会社は倒産したら、また立て直すことも、再就職することも可能です。
なぜなら命がないからです。でも命あるものは一度、その命を失ったら再生不可能です。妻との信頼関係、子供との信頼関係、それらは一度断ち切ってしまうなら再生することは非常に困難です。 しかし、神には可能です!

神を礼拝しましょう!神の言葉である聖書に従い、神を賛美し、神の正しいとすることを自分の正しさとして歩みましょう。神が愛されたように、その愛を分かち合い、自分を愛するように隣人を愛する生き方、それが真の礼拝者の生き方です。
命の源は神です。神を礼拝する時、私たちの内に命が満ちあふれていきます。
あなたを満たし、妻を、夫を愛し、子ども達を愛する愛と命が満ちあふれます。

この優先順位の戦いに勝利しましょう!聖霊様の助けを受けて勇敢に戦い抜きましょう。
苦難があっても必ず勝利します。なぜならキリストにあって既に勝利者だからです!